2008年12月6日土曜日

「悩む力」


「悩む力」 姜尚中

春に出てから気になっていましたが、
近ごろ購入。

夏目漱石と、マックス ウェーバーが
100年以上前の近代化の際に感じた違和感を、
今私達が自分のこととして、
「悩んで」いるという指摘。

当時と今の共通項は意外にもあるという指摘です。
ワタシなんかはその時代の方が
よほど闊達だったように思うのですが。

一生懸命変わった結果、
たいして良い環境にはならなかったことへの
落胆を両者は唱えていて、
それは今の社会を覆っているんじゃないですか、
という主張。

なるほど全く気付かなかった視点で大変新鮮。
他にも社会との関わり方や
お金の持つ力について
姜氏のメッセージが散りばめられる。

読んで見ると悩む力という題名よりも、
今こんなことが一般的に不安ですよね、
それはこんなことに起因してるんぢゃないですか、
でもこう考えた方が全うかもしれませんよ、
なんて姜さんに言われているような気になります。

スキル本全盛の今、
物事の本質を悩みながら考えようよ、
と語り掛けてくれる良書だと思いました。

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